認証ウェブフック¶
概要¶
Sora 自体はクライアントの接続を認証する機能を持っていません。認証する場合は外部に認証サーバーを用意する必要があります。
Sora はシグナリング経由で送られてきた情報や、
そのチャネルに接続している情報を POST リクエストで sora.conf
の auth_webhook_url に指定された URL へ送信します。
このとき送信する情報は JSON 形式です。
注意¶
シグナリング "type": "connect"
経由で送られてきた情報がそのまま認証ウェブフックのリクエストとして送信されるわけではありません。
ウェブフックリクエスト送信先のサーバーがベーシック認証を利用している場合¶
もしウェブフックリクエスト送信先のサーバーがベーシック認証を利用している場合は、
sora.conf
にて webhook_basic_authn を true
に設定することでベーシック認証を利用可能です。
webhook_basic_authn_user_id と webhook_basic_authn_password に利用するユーザー ID とパスワードを設定して下さい。
ウェブフックリクエスト送信先のサーバーが自己署名証明書などを利用している場合¶
注意
この設定はおすすめしません
デフォルトでは自己署名証明書などの正規の認証局から発行されていない証明書を使用した場合には、信頼できないと判断しエラーになります。
この場合は sora.conf
にて webhook_tls_verify_cacert_file を指定することで、
指定されたルート CA を利用してサーバーの証明書検証を行います。
もしくは推奨はできませんが sora.conf
にて、
webhook_insecure を true
に設定することで証明書のチェックを行わなくなります。
ウェブフックリクエスト送信先のサーバーが mTLS を利用している場合¶
mTLS を利用する場合は sora.conf
にて webhook_tls_fullchain_file にクライアント証明書、
webhook_tls_privkey_file にクライアント秘密鍵を指定することで mTLS を利用します。
auth_webhook_url¶
- デフォルト:
未設定
クライアントの認証可否を判断するための URL を指定します。認証ウェブフック機能を使用する場合は指定してください。
この URL には HTTPS の URL を指定することも可能です。
HTTPS の URL を指定する場合、リクエスト送信先のアプリケーションについて基本的には正規の認証局から発行された証明書を利用してください。
独自の証明書を利用する場合は ウェブフックリクエスト送信先のサーバーが自己署名証明書などを利用している場合 をご確認ください。
Sora は戻り値の JSON で認証可否を判断します。
HTTP のレスポンスは 200 OK 等の 200 番台のステータスコードの必要があります。
設定¶
認証可否の判断に使用する HTTP リクエストの送信先を sora.conf
の auth_webhook_url に設定します。
auth_webhook_url = http://127.0.0.1:8080/sora/auth/webhook
認証処理時に送信する JSON¶
Sora は、 sora.conf
の auth_webhook_url に設定した URL に対して POST リクエスト で次のような JSON を送ります。
{
"audio": {
"codec_type": "OPUS"
},
"channel_connections": 0,
"channel_id": "sora",
"channel_recvonly_connections": 0,
"channel_sendonly_connections": 0,
"channel_sendrecv_connections": 0,
"connection_id": "VSMDDJG3ZH1RHB93W260APVEQW",
"data_channel_signaling": true,
"data_channels": [
{
"compress": false,
"direction": "sendrecv",
"label": "#abc",
"ordered": true
}
],
"e2ee": false,
"ignore_disconnect_websocket": false,
"label": "WebRTC SFU Sora",
"multistream": true,
"node_name": "node1@192.0.2.10",
"role": "sendrecv",
"simulcast": false,
"sora_client": {
"environment": "Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_15_7) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/91.0.4472.77 Safari/537.36",
"raw": "Sora JavaScript SDK 2021.1.0",
"type": "Sora JavaScript SDK",
"version": "2021.1.0"
},
"spotlight": false,
"timestamp": "2021-06-08T07:51:32.593704Z",
"version": "2021.1",
"video": {
"bit_rate": 1000,
"codec_type": "VP9"
}
}
sora.conf
で legacy_webhook_audio_video_json_structure を false にしている場合は以下のようになります。
{
"audio": true,
"audio_codec_type": "OPUS",
"channel_connections": 0,
"channel_id": "sora",
"channel_recvonly_connections": 0,
"channel_sendonly_connections": 0,
"channel_sendrecv_connections": 0,
"connection_id": "VSMDDJG3ZH1RHB93W260APVEQW",
"data_channel_signaling": true,
"data_channels": [
{
"compress": false,
"direction": "sendrecv",
"label": "#abc",
"ordered": true
}
],
"e2ee": false,
"ignore_disconnect_websocket": false,
"label": "WebRTC SFU Sora",
"multistream": true,
"node_name": "node1@192.0.2.10",
"role": "sendrecv",
"simulcast": false,
"sora_client": {
"environment": "Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_15_7) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/91.0.4472.77 Safari/537.36",
"raw": "Sora JavaScript SDK 2021.1.0",
"type": "Sora JavaScript SDK",
"version": "2021.1.0"
},
"spotlight": false,
"timestamp": "2021-06-08T07:51:32.593704Z",
"version": "2021.1",
"video": true,
"video_bit_rate": 1000,
"video_codec_type": "VP9"
}
version
Sora のバージョンが
文字列
で入ってきます
label
sora.conf
の label で指定した値が入ってきます
node_name
Sora のノード名が入ってきます
timestamp
ウェブフックリクエスト送信時のタイムスタンプが RFC3339 フォーマットで入ってきます
マイクロ秒まで含まれています
e2ee
クライアントが E2EE を有効にしているかどうかが入ってきます
true の場合は E2EE を利用する接続です
multistream
マルチストリームでの接続要求を出しているかどうかの値が入ってきます
true の場合はマルチストリームを希望している接続です
simulcast
サイマルキャストでの接続要求を出しているかどうかの値が入ってきます
true の場合はサイマルキャストを希望している接続です
simulcast_rid
サイマルキャストでの受け取る rid を指定します
spotlight
スポットライトでの接続要求を出しているかどうかの値が入ってきます
spotlight_number
この項目はオプションです
spotlight_number
をシグナリングの connect 時に送ってきた場合に値が入ります
role
以下が入ってきます
sendrecv
(送受信)sendonly
(送信)recvonly
(受信)
channel_id
認証対象のクライアントが接続要求を出しているチャネル ID です
client_id
認証対象のクライアントが利用要求を出しているクライアント ID です
"type": "connect"
でclient_id
が送られてこない場合、アプリケーション側にも送られません
bundle_id
認証対象のコネクションが利用要求を出しているバンドル ID です
sora.conf
の signaling_bundle_id がtrue
で"type": "connect"
でbundle_id
が送られてこない場合、アプリケーション側にも送られません
connection_id
Base32-UUIDv4 です
認証対象のコネクションに割り当てられたユニークな ID です
channel_connections
現在そのチャネルの接続数です
自分は含まれません
channel_sendrecv_connections
現在そのチャネルで送受信をしている配信者の接続数です
自分は含まれません
channel_sendonly_connections
現在そのチャネルで送信のみをしている配信者の接続数です
自分は含まれません
channel_recvonly_connections
現在そのチャネルの配信を受信のみしている視聴者の接続数です
自分は含まれません
audio
false
の場合はaudio
を使用しませんコーデックやビットレートが入ってくる場合は
{"codec_type": "OPUS", "bit_rate": 32}
が入ってきますコーデックの種類は
OPUS
ですビットレートの項目はオプションです
もし
default_audio_bit_rate
に値を指定していた場合はその値が利用されます最小が 6 で、最大が 510 です
sora.conf
の legacy_webhook_audio_video_json_structure をfalse
にした場合以下のようにフラット化しますaudio: true
audio_codec_type: "OPUS"
audio_bit_rate: 32
詳細は ウェブフックの audio と video 項目の JSON 構造のフラット化 をご確認ください
video
false
の場合はvideo
を使用しませんコーデックやビットレートが入ってくる場合は
{"codec_type": "VP9", "bit_rate": 500}
が入ってきますコーデックの種類は VP8、VP9、AV1、H264、H265 の 5 種類です
コーデックはクライアントが送ってこない場合はデフォルトで
VP9
が使用されますビットレートはクライアントが送ってこない場合は
sora.conf
の default_video_bit_rate が使用されますデフォルトは 500 です
最小が 1 で、最大が 30000 です
15000 より大きい値は現時点でサポート範囲外です
単位は
kbps
です
sora.conf
の legacy_webhook_audio_video_json_structure をfalse
にした場合以下のようにフラット化します"video": true
"video_codec_type": "VP9"
"video_bit_rate": 500
詳細は ウェブフックの audio と video 項目の JSON 構造のフラット化 をご確認ください
metadata
この項目はオプションです
ユーザーが定義を自由にできる値です
JSON で使用できる形式ならどんな値でも指定可能です
"type": "connect"
でmetadata
が送られてこない場合、アプリケーション側にも送られません
authn_metadata
この項目はオプションです
この項目は metadata と同じです
metadata の別名です
"type": "connect"
でmetadata
が送られてこない場合、アプリケーション側にも送られません
data_channel_signaling
シグナリングの DataChannel 切り替えをするかどうか
ignore_disconnect_websocket
シグナリングの DataChannel 切り替え時に WebSocket の切断を無視するかどうか
data_channels
この項目はオプションです
DataChannel を利用したメッセージングの定義が入ってきます
クライアントが指定しない場合は入ってきません
sora_client
この項目はオプションです
クライアントから送られてきた情報が入ってきます
sora_client¶
認証ウェブフックの sora_client
にはクライアントから送られてきた情報が入ってきます。
クライアントから情報が送られてこなければ含まれません。 Sora SDK を利用している場合は必ず入ってきます。
"sora_client": {
"environment": "Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 10_15_7) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/91.0.4472.77 Safari/537.36",
"raw": "Sora JavaScript SDK 2021.1.0",
"type": "Sora JavaScript SDK",
"version": "2021.1.0"
},
type
オプションです
クライアントから送られてきた Sora SDK またはクライアントのタイプが入ってきます
raw
オプションです
クライアントから送られてきた sora_client の値がそのまま入ってきます
version
オプションです
クライアントから送られてきた Sora SDK またはクライアントのバージョンが入ってきます
commit_short
オプションです
クライアントから送られてきた Sora SDK のコミットハッシュが入ってきます
environment
オプションです
クライアントから送られてきた端末情報が入ってきます
libwebrtc
オプションです
クライアントから送られてきた libwebrtc のバージョン情報が入ってきます
認証成功時のレスポンス JSON¶
認証に成功した場合は、以下の JSON を返してください。
{
"allowed": true
}
Sora は "allowed" が true の場合は認証を成功と判断して処理をします。
認証失敗時のレスポンス JSON¶
認証に失敗した場合は、以下の JSON を返してください。
{
"allowed": false,
"reason": "<String>"
}
注釈
認証失敗の場合も HTTP レスポンスのステータスコードは 200 番台である必要があります
Sora は "allowed" が false で、 "reason" が含まれている場合に認証失敗と判断して処理します。
"reason" は必須です、何かしらエラー理由を 100 バイト以内 の文字列にて追加してください。
認証に失敗した場合、認証サーバーから送られてきた "reason" の内容は文字列としてクライアントに送られます。
"<認証サーバーから送られてきた reason>"
認証ウェブフック成功時の払い出し¶
認証サーバーは認証成功時に様々な値を出すことができます。
{
"allowed": true,
"event_metadata": {
"pk": 1
}
}
詳細は 認証ウェブフック成功時の払い出し をご確認ください。
認証ウェブフックログ¶
sora.conf
の auth_webhook_log を true
にしている場合は log/auth_webhook.log
が出力されます。
重要
auth_webhook_log
はデフォルトで true
です。
このログには認証ウェブフックのリクエストとレスポンス、ウェブフック URL、タイムスタンプが含まれます。
req
認証ウェブフックの送信リクエストがそのまま入ります
res
認証ウェブフックの戻り値がそのまま入ります
url
auth_webhook_url を指定していない場合はログに含まれません
timestamp
RFC3339 フォーマットのタイムスタンプが入ります
UTC です
auth_webhook_url あり / レスポンスあり¶
{
"req": {
"audio": {
"codec_type": "OPUS"
},
"channel_connections": 0,
"channel_id": "sora",
"channel_recvonly_connections": 0,
"channel_sendonly_connections": 0,
"channel_sendrecv_connections": 0,
"connection_id": "F2SMT1W59S5ADDZ84CMQ8CDBX4",
"e2ee": false,
"label": "WebRTC SFU Sora",
"multistream": true,
"node_name": "node1@192.0.2.10",
"role": "sendrecv",
"simulcast": false,
"sora_client": {
"environment": "Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 11_0_1) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/87.0.4280.88 Safari/537.36",
"raw": "Sora JavaScript SDK 2020.5.0",
"type": "Sora JavaScript SDK",
"version": "2020.5.0"
},
"spotlight": false,
"timestamp": "2020-12-07T09:16:54.079650Z",
"version": "2020.3",
"video": {
"bit_rate": 1000,
"codec_type": "VP9"
}
},
"res": {
"allowed": true,
"event_metadata": {
"abc": "efg"
},
"metadata": "abc",
"signaling_notify_metadata": {
"a": "b"
}
},
"timestamp": "2020-12-07T09:16:54.089962Z",
"url": "http://127.0.0.1:3001/sora/auth/webhook"
}
auth_webhook_url あり / レスポンスなし¶
res がありません
{
"req": {
"audio": {
"codec_type": "OPUS"
},
"channel_connections": 0,
"channel_id": "sora",
"channel_recvonly_connections": 0,
"channel_sendonly_connections": 0,
"channel_sendrecv_connections": 0,
"connection_id": "0FBC8HF84544ZDHYYN9BCRNZG8",
"e2ee": false,
"label": "WebRTC SFU Sora",
"multistream": true,
"node_name": "node1@192.0.2.10",
"role": "sendrecv",
"simulcast": false,
"sora_client": {
"environment": "Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 11_0_1) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/87.0.4280.88 Safari/537.36",
"raw": "Sora JavaScript SDK 2020.5.0",
"type": "Sora JavaScript SDK",
"version": "2020.5.0"
},
"spotlight": false,
"timestamp": "2020-12-07T06:30:56.240917Z",
"version": "2020.3",
"video": {
"bit_rate": 1000,
"codec_type": "VP9"
}
},
"timestamp": "2020-12-07T06:30:56.252785Z",
"url": "http://127.0.0.1:3001/sora/authn/webhook"
}
auth_webhook_url なし¶
url がありません
{
"req": {
"audio": {
"codec_type": "OPUS"
},
"channel_connections": 0,
"channel_id": "sora",
"channel_recvonly_connections": 0,
"channel_sendonly_connections": 0,
"channel_sendrecv_connections": 0,
"client_id": "K8PCW533MN1WK24YNZ83HDP74C",
"connection_id": "K8PCW533MN1WK24YNZ83HDP74C",
"e2ee": false,
"label": "WebRTC SFU Sora",
"multistream": true,
"node_name": "node1@192.0.2.10",
"role": "sendrecv",
"simulcast": false,
"sora_client": {
"environment": "Mozilla/5.0 (Macintosh; Intel Mac OS X 11_0_1) AppleWebKit/537.36 (KHTML, like Gecko) Chrome/87.0.4280.88 Safari/537.36",
"raw": "Sora JavaScript SDK 2020.5.0",
"type": "Sora JavaScript SDK",
"version": "2020.5.0"
},
"spotlight": false,
"timestamp": "2020-12-07T06:26:58.916204Z",
"version": "2020.3",
"video": {
"bit_rate": 1000,
"codec_type": "VP9"
}
},
"res": {
"allowed": true
},
"timestamp": "2020-12-07T06:26:58.916242Z"
}
エラーメッセージ¶
これらエラーメッセージは sora.log に出力されます。
AUTH_WEBHOOK_RESPONSE_UNEXPECTED_STATUS_CODE¶
認証サーバーが返すステータスコードが 200 系ではなかった場合に出力されます。
例えばステータスコードが 400 だと出力されます。
INVALID_AUTH_WEBHOOK_RESPONSE_JSON¶
認証サーバーが返す JSON に必須で項目が含まれていない場合に出力されます。
例えば allowed
が含まれていない場合に出力されます。
AUTH-WEBHOOK-RESPONSE-BAD-JSON¶
認証サーバーが返す JSON のデコードに失敗した場合に出力されます。
例えば {"a: b"}
といったような JSON と判断できない場合に出力されます。